特等席はアナタの隣。
「待って和泉君!!」

このままじゃイヤ!
そう思って和泉君を引き留める。


立ち止まった和泉君は振り返らず言った。

「ごめん…。ちょっと今、自分の感情抑える自信がない…。…モカは、悪くないって分かってる。でも…、アイツへの怒りと嫉妬で、モカを…メチャクチャにして…奪ってしまいそうだ…」

しばらく頭冷やす、そう言って和泉君は出て行った。


まさか、こんなことになるなんて…。
そのまま座り込み、声も上げず涙を流した。


開かれもしないお弁当と浅はかな自分が図書館に虚しく残る。


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