特等席はアナタの隣。
和泉君と心がすれ違ったまま一週間が過ぎ、夏休みに突入しようとしていた。


相変わらず、私たち2人の間に会話はなかった。
図書館にも、和泉君は姿を現していない。

…もう嫌われちゃったかな。


教室で目も合わせない私たち、そして、ますます無口で無愛想になった和泉君の険悪な態度もあってか、あれから私たちの噂を立てる者はいなかった。


ただ、立花さんを初めとする一部の女子からは陰湿な嫌がらせは続いている。

無視や陰口は日常、時には鞄やシューズが汚されていたり。

でもそれも和泉君に避けられることに比べれば大したことない、と感じている。

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