特等席はアナタの隣。
駅に着き、改札を出る。

一気に緊張が高まってきた。

和泉君の家の方向に進むため、駅のロータリーまで降りると、白いジャージに身を包み、大きなスポーツバッグを持った男の子がこちらに向かっていた。

進んでいた足をピタリと止め、その男の子を見た。


俯きながら歩いているが、周りの女性からの視線を一身に集めている。


……間違いない。和泉君だ。

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