特等席はアナタの隣。
「でね、和泉君…」

時間もない。意を決して喋り始めたその時、

「夏休みは?…どっか行くの?」

かぶせるように和泉君が問いかける。


「え?…あぁ、特に…。夏期講習くらいかな…それより!」

こんな暢気な事を話しに来たんじゃない!!
再び、本題に入ろうとした。

「あのね!今日来たのは…」
「あのさ、悪いんだけど…。今日から俺、強化合宿だから…。急いでて…もう行かないと」


…じゃあ、と悲しそうに微笑んで和泉君は去って行った。


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