特等席はアナタの隣。
家までの道をとぼとぼ歩く。

…何で?
もう、話しもさせてもらえないの?そんなに嫌われたの?
何で…和泉君があんな悲しそうな顔をするの?


「……泣きたいのはこっちだよ」



その日の結婚式は、華やかで幸せに満ちた雰囲気の中で、一人、辛気くさい暗い表情の私がいた。

「なんて顔してんのよ」
お母さんからパシッと何度も頭を叩かれた。




夏休み、和泉君に会えたのはその一回きりだった。


< 361 / 412 >

この作品をシェア

pagetop