特等席はアナタの隣。
女の子の群れをかき分け、和泉君の前に立つ。

「な、なに…」

立花さんはじめ、和泉君の周りにいた女子たちが私の行動に戸惑っている。


そんな様子も目に入らず、和泉君に啖呵を切った私はキレていたとしか言いようがない。


「和泉君のバカ!!!!何で…?何で信じてくれないの…?いつ私たち別れたのっ!?新しい彼女って…何でよ!!」
勝手だよ…、最後は泣きながら呟く私に、和泉君はもちろん、クラス中が唖然としていた。


「まだ、好きなのに…私は…どうすればいいの…?」

泣きじゃくりながら、教室を飛び出した。


「モカっ!!!!」

和泉君の声が聞こえた気がしたけど、とにかく、あの場から逃げたくて、いっぱい、いっぱい走った。

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