特等席はアナタの隣。
走って向かった場所は、やっぱり図書館だった。

…私、ここしか来る場所ないのかな。

無意識に選んだこの場所に苦笑する。
よりによって和泉君との一番の思い出の場所だ。


…もう、教室には帰れない。というか、帰りたくない。


だんだんと冷静になってくる頭で、大変なことをしでかしたことは分かっていた。
でも、あの時の私は自分でも止められなかった。


椅子に座り、机に突っ伏す。
「……どうしよ…」

泣きながら1人呟いたその時、ガラガラっと扉が開いた。


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