特等席はアナタの隣。
「なにも…避けなくてもいいじゃない…」

照れ隠しもあって、少し拗ねた風に和泉君に言った。

「…俺の方が嫌われたって思ってて。ほら、夏休みに会いに来てくれた時…マジでフラれるって思って、わざと会話しないようにした」

そう和泉君は苦笑した。


「すごく悲しかったんだから…!せっかく勇気出して会いに行ったのに」

…どうりで…。全然話ができなかった。


「…うん、ごめん」

そう言って和泉君は少し強く私を抱き締めた。



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