特等席はアナタの隣。
どれだけ時間が経ったか、しばらくこの図書館で一緒に過ごしていた。

いつもの場所で床に座って、包み込まれるように後ろから抱き締められている。
和泉君はくっついたまま私から離れようとしない。


幸せだと感じる反面、時間が進めば進むほど、現実を思い出す…。


今頃、教室は大騒ぎになってるんだろうな…。

急に沈んだ様子の私に、
「どうした?」

と和泉君が聞く。


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