特等席はアナタの隣。
鞄だけ置かせてもらい、HRが始まるまで親友の木下麻美の席まで向かった。


これもいつものこと。


「モカ、あの子たちに一回ビシッと言ってやったら?どけろ!って」

「言えないよそんなこと…。みんな黒崎君と話したいみたいだし仕方ないって」


黒崎君と席が近くなったら、誰もが経験している。
隣の席の鈴木君だっていつも座れず避難している。


何も言わない私に、麻美があきれ気味にため息をつく。


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