特等席はアナタの隣。
「千絵!!黒崎先輩がいる!!」
囁きながら指を差す友人。


黒崎先輩の彼女騒動が落ち着き始めた頃のことだった。

日曜日、友人と一緒に今話題の映画を観ようと映画館に来たら、なんと目の前に黒崎先輩とその彼女が座っていた。

思わず息を潜めて固まる私たち。
向こうはこっちの存在を知るはずもないのに。




『モカ、これ観たらさっさと家に帰るぞ』

『えぇ!せっかく今日は出掛けたのにまた部屋で過ごすの!?』

『こないだの続きするから。
……覚悟しとけよ?』

『ちょっ……!!』




思わず友人と目があった。

……続きって…何だ!

よからぬ想像をしてしまい、顔が赤くなった。


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