特等席はアナタの隣。
それから何日か経ったある日。

掃除当番でゴミを運んでいると、部室棟の前を1人で歩いている黒崎先輩がいた。

1人でいるなんて、すごく珍しい。

ここぞとばかりに見つめていたら、黒崎先輩は向きを変えこちらに歩いてきた。

うわ!こっちに来る!!

俯きながら、すれ違うのをドキドキして待っていた。


来る…来る…
徐々に足音が近付き、ふと顔を上げた。
もちろん、黒崎先輩は私なんか見ていない。



隣に並びすれ違った瞬間、
「あの…!!黒崎先輩!!」


勝手に声が出てしまった。

< 410 / 412 >

この作品をシェア

pagetop