不幸せの青い鳥 -堕ちた羽根-
人間じゃない彼がこの後何をするか。何となく予想をしてみる。

考えられるのは1つ。この場から逃げるという事。

でもそんな怪我じゃ無理だ。

だから精一杯しがみついて、彼に声が届くように叫ぶ。


「ダメ! そんなんじゃ死んじゃう!」


その声は彼に届いたようで、此処で初めて私は彼の声を聞く。

高くも低くもないその声で彼は言う。


「死なねえよ」


私が次に言葉を発そうとした瞬間、少し違和感を感じる。

足元を見ればまた有り得ない事に……私は数センチ宙に浮いていた。
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