月と夜風と木魚と川と【短編】


はて?

と凝らした目に突如口を開ける月。


『おぬしも何か探しておるようじゃのう』


流れに逆らい、そこに留まる月と思いし、その姿はどう見ても木魚にしか見えない。

だが、ふやけた太鼓腹のように真っ白な木魚だ。


しかも、開いた口を器用に動かし明らかに喋っている。



相手は俺しか居ないようだ。





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