月と夜風と木魚と川と【短編】


木魚に小魚の頃があるのかどうか疑問に思いながらも、確かこの川の先にはその昔、大きな沼があったことから由来する沼の名が付く地名があることを思い出す。


「その沼なら、もうないんじゃないかな」




ぽちゃん。


そう静かに音がして、木魚が姿を沈めた。





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