イケメン霊感転校生とナツの恋
暗闇だったが、
ァタシは見えないブルーの
目のあたりを《ジッ》と見つめ、
しっかりとその手を握った。


「……ダイジョブ、ダイジョブ」


ァタシがゆっくり息をすると、
ブルーもそれに合わせくれる。


突然、ブルーの手が少し震えた。


――え、ナニ?


その時、ァタシたちの真上を掠めるように
青白い龍が通り抜けた……、
いやそういう気がした。


――りゅ、龍!?


それは幻覚にしては
あまりにハッキリしてて、
しかも時間をかけて
長いカラダが通り抜けてる。


――……


ァタシはコトバを失って、
しばらく呆然としてたと思う。


「ナツ……」


――えっ?


ブルーの優しい声が聞こえてくる。


薄青くブルーの顔が
浮かび上がるように見えてきた。


ァタシたちは、
落ち着きを取り戻してきてた。


もう辺りには何も聞こえない……。


――あれは、何だったんだろう……

< 63 / 89 >

この作品をシェア

pagetop