はあとがふたつ。
「竜生が、かけよってきた。」


美帆とアヤとえりかは少し後ろで見守ってくれた。


「私、竜生の事……」

竜生は顔がまるくなってきた。こんなセリフがきたら、さすがにわかったのだろう。


「好き」


「うん」


竜生の返事はこれだけだった。

美稀は続けた。


「付き合って??」


…………



竜生からの返事はなかなかなかった。



口を開いたのは1分後くらいだった。


「気持ちはうれしい。でも俺には、好きな奴おるねん。そいつの事しか、頭にない。ゴメン」


美稀は涙なんて出る暇もなく、うつむき、黙った。


竜生はまだしゃべり続ける。


「俺な、天王寺が塾で泣いてて、ほっとかれへんかったのは、俺もあん時、同じ思いしたカラやねん。俺も、あん時フラれて、泣きそうになっててン。そんな時、お前を見て助けたくなった。」


竜生は正直に素直に、答えてくれる。


美稀はもぉそれ以上聞いても、無駄な気がした。


「わかった。私、竜生の事、なんも知らんかった。なのに、いきなり告って……アホやわ」


「これからも、又いつも通り、メェルとかしてな」
「うん。」


「ンぢゃ又な」


竜生は戻っていった。


3人が近付いて来た。

アヤは泣いていた。


「美稀、よく頑張ったね。」


「ありがと」


アヤに抱きついた。美帆とえりかは横で見ていた。

「美稀、これからは、どぉすンの??」


「さぁ…」


「昨日ね、智也と会った。アイツ、まだ美稀の事好きみたいだよ。デモ、あきらめるトカ、無理やトカ、ぶつくつ言ってたで!」


「フフ笑 デモ、智也の事は……」


「好きぢゃなくなれたの?」


美稀は横に顔ふった。

アヤはニコって笑った。
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