電波ヒーロー
気付いたら私は、伶さんの腕の中に収まっていた。
慌てて、掴まれていない方の手で伶さんの胸板を押そうとすると、伶さんの腕に力が入って、離れようとするのを阻止されてしまった。
…何が起きたんだろう。
私は何故伶さんの腕の中にいるんだろう。
顔が熱い。
今、絶対顔が真っ赤だ。
うまく動かない脳みそで必死に考えていると、私の手を掴んでいた伶さんの手が動いて、指が絡まった。
…いわゆる、恋人つなぎ。
って、なんで。