電波ヒーロー
「夕焼けだなー…」
帰り道、歩みを止めて空を見上げた。
綺麗な夕焼けだ。明日もきっと晴れるんだろう。
…これから伶さんに会うのかと思うと、家へと帰る歩みが自然と遅くなった。
会いたくないわけでは、ない。
むしろ会いたい。
けれど、気まずい。
昨日、伶さんが好きなのにもかかわらず、私は伶さんをフッたから。
伶さんからの告白を、『ごめんなさい』という言葉で、片付けたから。
それなのに、私は伶さんに会ってもいいのだろうか。
そんな資格、あるのだろうか。