電波ヒーロー
…いや、正確には起こそうとした。
伶にしっかり抱きしめられていたらしく、起き上がるのを阻止された。
ちらり、と横を見ると、まだ夢の中の伶がいた。
小さくため息をついてから伶の腕をよけようとしたが、それに反応した伶の腕に力が入って、余計起き上がれなくなってしまった。
…嬉しいけど、私お腹すいたな…。
じっと伶の顔を見ていると、いきなりぱちっと伶が目を覚ました。
「…起きてた?」
「…いや、今起きた…。んー、もう少し寝てたい…」