電波ヒーロー
…伶は気にしてないようだけど、周りから見たら不釣合いに見えているのは間違いない。
そんなことを考えていて、はぁ、とため息をつくと、伶が私の方をちらりと見た。
「由佳?もしかして車酔いした?」
「え、ううん、大丈夫」
「そ?ならよかった」
「ねぇ、どこに行くの?もう1時間以上…っていうか高速だよね、ここ?」
「うん、まぁ、いずれわかるって」
楽しそうに話す伶に、私はただただ首をかしげるだけだった。
…一体どこに行く気なんだろう?