電波ヒーロー
「…か、由佳、」
「ん……?」
「着いたよ」
「着いた…って、わ、私寝てた…っ?」
「うん、まぁ、昨日寝るの遅かったしね。」
伶にそう言われて、昨日のことを思い出して顔が熱くなった。
伶はそんな私を見て、ニヤリ、と笑った。
「やらしー、由佳ちゃん。何思い出したの?」
「なっ、…ていうか、ここどこ……」
話をそらしたくて、そう言いながら外を見て、言葉を失った。
背中に伶のぬくもりを感じる、と思った次の瞬間、伶の顔が真横に見えた。