電波ヒーロー
「いいじゃん、見るのなんて初めてじゃないし」
「そういう問題じゃないの!!!」
「…どうしてもだめ?」
顔をのぞきこまれて、伶のおねだり。
出来るだけ見ないようにしても、伶の手が顔を背けようとするのを阻止する。
…あぁ、もう!
「…わかった、いいよ」
「ほんと?」
「…うん。 も、こんなこと絶対しないからね!」
「わかってる、…今日だけ特別、ね」
すごく嬉しそうな顔をされて、恥ずかしさとかが一気にどこかにいってしまった。
…ほんと、伶には弱い私。
でも、それもいいかなって思ってしまうわけで。
伶に手を引かれるまま、露天風呂へと歩みを進めた。