電波ヒーロー
にっこりと笑顔で私にそう言ったマネージャーさんの言葉に、思わず泣きそうになって、首を縦に振った。
ちょうどその瞬間、周りが少し騒がしくなった。
マネージャーさんから目をそらすと、伶がスタジオに入ってきたところだった。
そこにいた伶は、私といるときの伶とは違う、俳優の『秋月伶』だった。
色んな人に挨拶をされ、寄ってこられ、それに笑顔で返す伶。
…これが、現場での『秋月伶』、なんだ。
「…由佳」