電波ヒーロー
掃除機を止め、空を見上げた、ちょうどその時。
『ガタンッ』
突然、物音がした。
洗濯機の動く音でも、止まった音でもなくて、何か大きなモノを置いたような音。
部屋の中からじゃなくて、外からしたようだった。
「じゃあ先にこれ…」
「その前にロック解除……」
続いて、男の人の声がする。下のほうからだ。
ベランダに出て下を見てみた。
7階の私の部屋からは、表情まではさすがに見えないけれど、引越しのトラックがとまっているのははっきりと見えた。