電波ヒーロー


「…知らないふりを…」


知らないふりをしていれば、今まで通りなんだろうか。

今まで通り、伶さんは伶さんのままで私に接してくれるのだろうか。


…私は、どうしたらいいのだろうか。

わからない。


伶さんにどうされたいのかも、よくわからない。




「…伶、さん」


名前を口にしただけで、心臓の脈拍数があがるのは、…考えたくもない。




701号室の伶さんの家の方の壁を見つめながら、ため息をついた。


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