星にありがとう(短編)
 だって、彼は私の目のことを知っていたから。


日常生活の中で目が悪いんじゃないかと感じていたこと。


医学書が本棚の奥に隠してあること。


そしてその本にラインが引いてあること。


彼は私のそんな些細な変化にも気がついていてくれたんだ。

もう十分だ。


こんなにも愛された思い出がある。


例え目が見えなくなっても私は生きていける。


何があっても、強く生きていける。


涙が溢れそうになったのを必死に我慢した。
< 15 / 25 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop