星にありがとう(短編)
泣いてしまったら別れ話が進まない。


そう思って耐えていた時に、言われた。


ずっといつ相談してくれるのか待っていたと。


目が見えないと一緒にいてくれないのか。


側にいてほしいと。


泣いたことのない彼が初めて流した涙は、私にはあまりにも美しく映った。


これから先、どれほどの迷惑をかけるかもわからないのに。


彼が生半可な気持ちで言っていないことは、5年間の時間が教えてくれている。
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