Bitter&Sweet



「なんで……
お兄ちゃん笑ってんの?」


私が じと~~って にらむと



「ええっ?笑ってないよ」



だけど やっぱり
目も口元も笑ってる


「お兄ちゃん笑ってる
私、本当に怒ってるんだよ?」



「うん……わかってる……」


そう言ったとたん

我慢しきれなかったように


「ハハッ」


お兄ちゃんは笑い声をもらして



ムッカァ~
私がどんだけ傷ついたか


「あ、ごめ……ハハッ
本当にごめんなさい、姫」



「笑いながら謝るって
なによぉぉぉぉ」



起き上がって
お兄ちゃんの胸をグーでポカポカたたくと



「ごめんって
だってさ、だってさ 姫」



ガシッ
私の手首をお兄ちゃんは捕まえて



「だってさ、姫」



「姫…やきもち妬いてるだろ?」



手首を捕まえたまま


私の目をのぞきこむ お兄ちゃん



   カァァァァァァァァ



全身の血液が沸騰したんじゃないかってくらい恥ずかしかった



「……違うもん…」

ドキドキドキドキ


鼓動が一気に早くなる


「違うもんっ!離して」



お兄ちゃんの手を振り払おうと


グッと手首に力を入れて
抵抗した



< 106 / 261 >

この作品をシェア

pagetop