Bitter&Sweet
目を閉じて
オレの肩に頭を乗せる
松雪さんの顔を見て
これから どうしようか
なんて考える
きっとオレには 狼の耳としっぽが にょきにょき生えてる
「………ね?松雪さん」
「ほぇ?」
「松雪さんの好きな人ってどんな人ですか?」
オレのライバルってのは
どんな人だろう
急に そんな興味が湧いてきて
「ワラシのしゅきな人はぁ」
松雪さんは薄く目を開き
「かぁっこ良くってぇ
頭良くってぇ
背も高いしぃ
優しくて………
ワラシにとぉっても甘い……」
なんだよ
そんなパーフェクトな男がライバル?
そんな男なら
さすがに勝ち目はないぞ
「……ワラシを『姫』って呼んで」
………姫?
それって それって
「絶対に
結ばれることのない人です」
そう言った松雪さんの目からはボロボロ ボロボロ涙がこぼれ出して
「うっ……うぅ………
うえ………うっ………
ふぇ~~~~~~~ん」
オレの肩に頭を乗せたまま
号泣した