Bitter&Sweet

南サイド




………なんか、胃が気持ち悪い



のど、スゴい渇いてる……



今、何時だろ?



ゆっくり目を開くと


「起きた?」


その声に横を向く


お兄ちゃんがひじをついて頭を支え、少し高い位置から私を見つめてた



「……なんで
また一緒に寝てるのぉ?」


掠れた声で言ってから


あれ?
私、昨日 何をしてたっけ?



えっと
雅哉さんと楽くんと食事して


雅哉さんとお酒飲んで……


飲んで………それから?


私、いつ帰って来たの?


どうやって帰って来たの?



あれ~~~~~?




お布団の中、混乱してると



「なに?何も覚えてないとか?」



私は寝返りをうち
お兄ちゃんの方に身体を向け
うなずいた



「大学のお友達って
男だったんだね」



静かな声で
口元に笑みを浮かべて
お兄ちゃんは言ったけど


その目は 哀しそうと言うよりも
喪失感に満ちている


「………雅哉さんを見たの?」



「雅哉さんって呼んでるの?」



どうしてだろう

お兄ちゃんの声は
静かで優しいのに

私、何か取り返しのつかない事をしたような

何とも言えない焦りが

心をどんどん満たしていく



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