Bitter&Sweet
「ふぅ~ん……」
本郷先生は水を飲んでから
「楽パパ、意外に紳士?」
「え?」
「好きな女が酔って寝たら
ホテルにでも連れ込んで
さっさとヤったら手っ取り早いでしょう?」
涼しい表情で
すんごい事を言って
またラーメンを食べたから
「本郷先生サイテー」
おもいっきり非難の視線を送った
「バカだな、姫子ちゃん
男なんて、そんなモノだよ
夕べのキミが翠の元へ帰れたのは運が良かっただけ」
……確かに私も迂濶だったけど
憮然として
ソバをズルズル食べたら
「でも、そっか」
そう呟き
本郷先生は何度もうなずいた
「…………お兄ちゃんは
呆れたのかな?」
私の質問に本郷先生は笑って
「でも結局は夕べキミが楽パパと何があったって
翠には関係ない話じゃない」
頬杖をつき、
私の目を真っ直ぐ見つめて
「キミだって、もう子供じゃない
誰と会おうと誰と寝ようと
翠の顔色を伺う必要はない」
「……そう、ですか?」
本郷先生はうなずいて
「そうだよ。
だってキミたち兄妹だろ?
――――――恋人同士じゃ
有るまいし」