Bitter&Sweet



もう、どうして いいか
わからない


私の指を噛むお兄ちゃんの口元をじっと見てると



「オレは
お兄ちゃんなんかじゃない」



そう呟いて ゆっくり口を開き
私の指を離した



ドキドキ ドキドキ ドキドキ


解放された濡れた指先を

どうしたらいいのか わからずに

困ってると



「―――――――おやすみ」



お兄ちゃんは
クルッと寝返りをうち


私に背を向けて寝ちゃった



……変なお兄ちゃん


指はすぐ乾いたけど

第二関節には しばらく


お兄ちゃんの歯形と
感触が残ってた




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