Bitter&Sweet



「誰にも言えない
許されないことを
オレはしたんだ」



「………え?」



「そう。自分の欲を満たすため
オレは許されないことをした」



「……よく…わからないよ…
それって、
何か罪を犯したってこと?」


自分で言って


そんなわけがないと思う


目の前のお兄ちゃんが
犯罪者なんて あり得ない



なのに


お兄ちゃんは
口元に少し笑みを浮かべ


「うん。オレは罪を犯した」



「―――――――………っ
なんで?
私は真面目に聞いてるのに
どうして
そんなジョーダン言うのっ?」



本当に不安で真剣に過去が知りたくて聞いてるのに


犯罪者なんてジョーダン言うなんてひどい



怒る私を
無表情でお兄ちゃんは見て



「ほらな?
知らない方が幸せだろ?」



「………お兄ちゃん?」



「オレは罪を犯した。
姫を共犯者にして

周りのことなんて、
どうでも良かった

誰が認めなくたって幸せになれるって信じてたよ」



「だけど」ってお兄ちゃんは
苦しそうに顔を歪ませ



「姫が……あんなことになって
……バチがあたったのかもな」



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