Bitter&Sweet
鈴木のお母さんが言ってたこと
お兄ちゃんが言ってたこと
お兄ちゃんと私がした許されないことって………
私の考えこむ気配を読んだのか
「なにか あったの?翠と」
「…………なにかって……」
こんなことを言っても
いいのかな?
お兄ちゃんと私がした許されないことを知ってますか?って
迷っているうちに もうデザートが出てきた
「ぼくはね」
ふいに本郷先生が口を開いたから ハッとする
「ぼくはね、別にいいんだよ。
言いにくい事は別に聞きたくないし、君が知りたい事をぼくが知ってるとは限らないから」
だけどって本郷先生は私の目を真っ直ぐ見た
「君はぼくに聞きたくて
ここに来たんでしょう?
お兄ちゃんに対して気まずい思いしてさ」
「………はい」
「今日、ぼくに何も聞けなくて
明日、やっぱり聞けば良かったなんて後悔しないでね」
「……………」
なんだか「わかりません」って素直に言えない小学生のような気持ちになってた
もやもやした気持ちで
何も言えないまま
デザートも終わってしまう