Bitter&Sweet
廊下の向こうで
玄関のドアがバタンと
閉まる音がして
静まりかえったリビングに
立ち尽くし動けなかった
もう少し早く
もう少し早くオレが
オレが姫の体調をあの時…
『みーくん』
姫は笑ってオレの腕の中にいた
幸せすぎて 頭も身体も
溶けて消えそうだった
両親も周りも神様だって
誰も許してくれなくても
全く構わなかった
姫だけがオレの世界だった
『愛している』と伝えられる事
もともと1つの身体
だったかのように
繋がり抱き合える事
嬉しくて、幸せで
姫が体調不良を隠してるなんて
気づいてあげられなかった
もしも、もしも もっと早く
もっと、もっと早く
姫が倒れる前にオレが
何とかすれば、今頃
姫は記憶を失くさずに
済んだのかも知れない