Bitter&Sweet
「ほら、姫、
少し水を飲みなさい」
「いやらー、もー、
ろめましぇん………
うふふふふふふふん♪」
リビングのソファーに
姫を座らせると
そのまま姫は
グニャリと横になった
水の入ったグラスを差し出し
「少しでも水飲んで
酔いをさまさないと
朝、大変だぞ?」
「んー、……んー、うんー」
オレの言ってることが
理解できたのか
ゆらりと上半身を起こして
姫はグラスを受け取り
水を飲み干した
空のグラスをテーブルに置き
姫は眠たそうな目を
オレに向けて
「………おにーたんのバァカ」
「はあっ?」
何をいきなり言い出すのか
「おにーたんの
おんにゃたやし」
「おんにゃたやし?
……ああ、女たらし!
って、おい、なんだよ
オレがいつそんな……」
姫はあからさまに
イヤーな顔をして
「うっしゃいなぁ
おんにゃたやしめ~」
うるさいって?
なんだよ、それ
女たらし込められるなら
姫のことでこんなに悩むものか
「おにーたんなんか
嫌いよぉ~
嫌い、きらい、
きりゃい、きやい、きあい」
………嫌いが最後
きあい になってますよ
お姫さま
姫は好き勝手 文句を言って
ソファーにゴロリと
寝転んだ