Bitter&Sweet
温かくて柔らかい
姫の唇を感じたら
もう歯止めなんかきかなくて
姫が欲しい
もう長い間
押し殺してた欲情が溢れた
何度も唇を重ね
舐めて噛んで
舌を絡み合わせる
「………んっ……」
苦しそうな声をもらし
オレの肩に手を置き
身体を引き離そうとする姫を
力ずくで押さえつけた
身体の奥が疼いて
胸を満たす甘い感情に
鳥肌が立つ
酸欠みたいに
頭がクラクラして
たまらない
姫が欲しくて我慢できない
きつく抱きしめて
首筋を吸うと
姫が震える声で言った
「………みーくん怒るかなぁ
お兄ちゃんとこんなことして
みーくん怒るかな………」
姫の小さな胸に顔を埋め
「………どうだろう……
いや、怒るな………
めちゃくちゃ怒るよ
姫を不幸にするオレのことを
殺したいほど憎むだろう」
『お兄ちゃん』もオレだし
『みーくん』もオレなのに
全然、別の人間みたく思えた
『みーくん』は きっと
自分の欲情のまま妹を襲う
『お兄ちゃん』を
決して許さない気がする
「『みーくん』は
絶対にオレを許さないな……」
呟くと涙が溢れた
「…………ごめんな
……ごめん………姫」
姫の胸を涙で濡らして
途方に暮れる
結局は行き止まりなんだ
この想いを貫こうとしても
どこにもたどり着けない
行き止まり
姫はずっとオレの頭を撫でてた
妹の胸で泣く
情けない兄の頭を
優しく そっと
その手が止まった時
すう、すう
規則正しい寝息が
暗闇に響いた