Bitter&Sweet
それから また
気まずい沈黙が流れ
どちらからともなく
お互いに背を向けて
横になった
毛布を すっぽり頭までかぶり
暗闇にじっと目を凝らしてた
……せっかく二人きりなのに
何でこうなっちゃうの?
うとうと しかけた頃
急にザァ―――――っと
雨が降り始めた
テントを叩きつける雨粒の音に
上半身を起こし
「……お兄ちゃん、雨だ
大丈夫かなテント……」
お兄ちゃんは起き上がらず
私に背を向けたまま
「通り雨だろ?大丈夫だよ」
「でも………」
バラバラ
テントを滑り落ちる
雨を見てたら不安になる
「……怖いよ、お兄ちゃん
私、風の音とか雨の音とか
そういうの…………」
「大丈夫だって
子供じゃないんだから
ちゃんと寝なさい」
「………でも」
――――――――ピカッ
テントの向こうが
なんか光った
それから数秒 遅れて
ドドド―――――ン
ものすごい音がして
「ひゃあっっ!」
耳を手で覆い
身体を丸くした
「おに、おに、お兄ちゃん
か、雷なった……」
「………そうだね
確かに雷だ」
いやいやお兄ちゃん
そうじゃなくて
「お兄ちゃんっ
私、雷はどうしても……」
ピカッ
うきゃっ
また光った
ドドド――――――ン
「ひゃあっっっっ!」