Bitter&Sweet
身体を丸くしようと
耳を手で覆おうと
雷の衝撃は感じ
ガタガタ震える
「お兄ちゃんっっっ!
死んじゃうよぉ」
お兄ちゃんは
やっとムクリと起き上がり
「死んじゃうって
なんで雷が鳴ったくらいで
死んじゃうんだよ……」
「だって怖い………」
ドドド―――――――ン
「ひゃあっっっ!」
また雷が鳴り
お兄ちゃんの首に
腕を巻き付け
抱き着いた
「………姫……」
「怖い怖い怖い怖い怖い怖い
お兄ちゃん、怖いよぉ」
お兄ちゃんの肩に
顔を埋め固く目を閉じた
暗闇に雨の音が聞こえる
………そっと
私の背中に
お兄ちゃんの
大きな手のひらが
添えられて
ゆっくり、ゆっくり
撫でられる
「………大丈夫だよ
すぐ止むから………」
低い声が響いた時
背中を撫でる
お兄ちゃんの手のひらが
顔を埋めた肩が
すごく熱を持ってることに
気がついた
「………姫は雨女だから……
仕方ないね…………」
「……なんで?
私、雨女なの?」
「………ふっ……
オレの前では、そうだったよ
いつも二人で―――――――」
お兄ちゃんは
そこで言葉を切り
私の髪を丁寧に撫でた