Bitter&Sweet
姫に恋をしてると
自覚したのは22歳、大学4年生だった
当時
姫はまだ小学5年生の子供
許されない気持ちを消すために
好きでもない女の子と付き合って寝た
だけど
姫への想いは膨らむばかりで
消えてくれなくて、苦しくて
オレは だんだんエスカレートしていった
虚しくなるだけと わかっていたクセに
姫が好きだと想う分だけ
いろんな女の子を抱いた
顔も名前も
人数だってわからない
彼女は常にいたけど
どの子が自分の彼女なのかも
わからないくらいだった
『尋常ではなかった』
吉田 静香の言葉は正しかった
あの時のオレは鬼畜だった
高校生になった姫が
オレを好きだと言ってくれて
キスをした夜
やっと目が醒めて
半月以上かけて全ての女の子を切った
そして 姫と 付き合い出した
あの時はオレたちの本当の関係を知らなくて
…………幸せになれるんだ
姫を幸せにするんだって思ってた
汚れたオレを
姫が浄化してくれてた
だから、真っ黒な水に沈めて
過去の過ちは二度と上がっては来ないと思ってた