Bitter&Sweet
新と別れ、家に着いたのは 深夜の1時近かった
もう姫は眠っているだろう
静かに玄関のドアを開けると
電気がついていて
靴を脱いでいるとリビングのドアが開き
パジャマ姿の姫が笑顔で
「おっかえり~」と言い
こちらへ来てオレの前に立つと
「遅かったねぇ」
「うん。友達と飲んでたから」
姫は 眉をしかめて
とっても嫌な顔をした
「なに?姫」
「……お酒くさ~い」
オレは フッ…と笑ってしまう
どうしてだろう
お酒くさ~いって
嫌な顔をする姫を
無性に抱きしめたくなる
そんな事したら
嫌われるのにね?
「今、温かいお茶淹れるね?
お兄ちゃんは着替えて来て」
「はい」
リビングに戻っていく
姫の後ろ姿は
とても愛おしくて
目が離せなかった
………ねぇ、姫
キミを愛おしいと思う
この気持ちは
間違った愛情なのかな?