Bitter&Sweet
パジャマに着替えてダイニングテーブルに着くと
姫が温かいお茶を出してくれて
「お腹すいてる?
何か作ろうか?」
オレは首を横に振り
「大丈夫だよ。ありがとう」
お茶を一口飲むと
向かいに座った姫が頬杖ついてオレを見つめてた
「なに?」
「友達って……?」
「ああ。小児科の本郷 新だよ
姫も知ってるだろ?」
「………ふ~ん」
よくよく考えたら
オレと姫はもう恋人でも
何でもない
ただの兄妹なんだから
別に見合いの話を隠す必要もないんだよな
院長の娘と見合いするけど
結婚なんかするつもりないんだ
兄妹なら普通にそう言えば
姫だって今みたいに
ふ~んって言って
話はそれで終わるんだ
それでも内緒にしたいと思うオレは
お兄ちゃん面して姫のそばに居続けながらも
ギリギリのところでは兄と妹ではなく
男と女でありたいと言う
願望みたいなモノがあるのかな?
バカみたいな話だけど
姫はオレの見合いなんて聞いても
何も感じないかも知れないのに