LOVE♀♂SEASON


これはあたしにとってすごく大切な物。



あいつがあたしにくれた唯一のプレゼントだから……



安心した途端、今度は恐怖が込み上げてきた。



雨だから、いつもより倍にくらーい学校。



濡れるのなんてお構い無しに校庭へ飛び出した。




……と、その時。



「あれ…?」


今のって空耳じゃないよね?


確かに怒鳴り声みたいなのが……―――




「やっぱり…」


校舎裏の方からだ。



何故か分からないが、好奇心が沸いたあたしは声のする方に行ってみた。




近ずくにすれて何にかを殴るような鈍い音も聞こえる。




「もう終わりか?早く立てよ!!」



――け、ケンカ!?!?



「俺が悪かった!ゆ、許してくれ」



一人は同じ制服を着ているから、恐らくこの高校の生徒だ。



しかしもう一人は違う制服を着ている。



他校と思われる男子は口が切れていて血が出ていた。



「は?なにいってんの?許すわけねぇじゃん」




―――ひどい……





< 5 / 11 >

この作品をシェア

pagetop