LOVE♀♂SEASON
これはあたしにとってすごく大切な物。
あいつがあたしにくれた唯一のプレゼントだから……
安心した途端、今度は恐怖が込み上げてきた。
雨だから、いつもより倍にくらーい学校。
濡れるのなんてお構い無しに校庭へ飛び出した。
……と、その時。
「あれ…?」
今のって空耳じゃないよね?
確かに怒鳴り声みたいなのが……―――
「やっぱり…」
校舎裏の方からだ。
何故か分からないが、好奇心が沸いたあたしは声のする方に行ってみた。
近ずくにすれて何にかを殴るような鈍い音も聞こえる。
「もう終わりか?早く立てよ!!」
――け、ケンカ!?!?
「俺が悪かった!ゆ、許してくれ」
一人は同じ制服を着ているから、恐らくこの高校の生徒だ。
しかしもう一人は違う制服を着ている。
他校と思われる男子は口が切れていて血が出ていた。
「は?なにいってんの?許すわけねぇじゃん」
―――ひどい……