戦国の世で  風林火山と共に
都市化が進行している東京に

こんな森はなかった。


それに

無音だ。


いつもなら

こんな真夜中にだって

嫌でも聞こえる車の音が

ここにはなかった。




やけに暗い。


いつもなら

こんな真夜中にだって

嫌でも光っているビルの明かりが

ここにはなかった。




本能的に感じた。


ここは

東京じゃない。
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