キミのことが好きでした


体育の前になると
服を投げつけて喜ぶキミが

僕の頭に浮かびます



メガネだけは守ろうと

防御の体制をとるのが
いつの間にか癖になって

この時間だけは
落ち着いていられませんでした



それなのに



「タツっ」



キミの視線は
もう僕を相手にしません

あんなに乱暴な姿を
もう見せたりはしないのです



体育館の床を打つボールは
みんなの足元に振動を伝え

女子憧れのタツは
ゴールだって簡単に決めます



僕は運動部なのに

どちらかといえば
球拾いのほうが得意でした





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