キミのことが好きでした


タツはキミの彼氏でした

でもキミにとって僕は
それとは違う意味で必要だと

いつか話してくれました



「めがっちの方が頭いいしな」



おでこに手を置きながら
難しい問題に取り組む表情

口を曲げたと思えば
ぱっとひらめいて笑い出す

そんなキミの仕草を
僕はずっと見てきました



「めがっちぃ~、これわからん」



でも時々そんなふうに

急に甘えてきた
キミを思い出すと

タツと二人でいるときの
女らしく振舞うキミを思って

またのどの奥が
ぐっと苦しくなるのです







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