キミのことが好きでした
放課後の玄関で
キミが出てくるのを待ちます
教室だと
なんだか恥ずかしくて
タツもいるのに
遠慮のない僕を
見せてしまいそうで
僕なりに
いろいろ考えていました
「あ、颯。何してんの」
「ぅ…、タツ!」
でもキミより先に
タツの方が
出てきてしまいました
タツは声変わりした
低くて優しい声を出します
まだ完全に
変わりきってなかった僕は
なんとも中途半端な
かすれた声を出します
「別に…」
「あいつに用事?」
タツがあいつと呼んだのは
キミのことです