キミのことが好きでした
試合の前日
遅くまであった練習に疲れ
僕は一人
神社の横を歩いていました
ちょうどその日は
町内の縁日で
にぎわう声が
まばらに聞こえてきます
明日の試合は
1セットでも取れるようにと
僕は立ち寄って
参拝することを決めました
石畳にできた
人の列に並び
ラケットを担いだまま
小銭を出そうと
ポケットを探っていたのです
「ちょっと、タツ!」
えっ…
数人前に見えたのは
浴衣姿のキミとタツの
後ろ姿でした