キミのことが好きでした



いろんな緊張と考えのせいで
前の晩早めに眠れなくて

僕はその日
大きな遅刻をしました

いつもなら
一度部室に寄ってから
大会へ行くのに

この日は直接
会場へと向かったのです



たいしたスコアは
出せなくても

わずかな差で
僕はセットをとります

本当はキミが
応援にきてくれるはずだった
スタンドを横目に

一人走りながら
汗を流していました



三回戦まで進めたことを
コーチがとても誉めてくれて

今までそんな経験が
全くなかった僕は

嬉しくて嬉しくて



あの瞬間が
今でも忘れられません






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